換気設備を選ぶとき、考えていることは大きく2つです。
ひとつは、
空気をどう入れ替えるか。
もうひとつは、
入ってくる外気をどう扱うか。
です。

快適に暮らしたい
↓
換気が必要
↓
空気をどう入れ替える?
↓
第一種換気 または 第三種換気
↓
入ってくる外気をどう扱う?
↓
熱交換なし
顕熱(けんねつ)交換
全熱交換
↓
快適性が変わる
↓
光熱費が変わる
↓
メンテナンスが変わる
つまり、
第一種換気・第三種換気 と 顕熱交換・全熱交換
は別の話です。
まずは空気の入れ替え方を決める。
その次に、外気の扱い方を考える。
換気はこの順番で考えていきます。
□ 第一種換気とは?
第一種換気は、
空気を入れるのも機械。 空気を出すのも機械。
という方式です。
給気も機械
↓
排気も機械
↓
換気量を管理しやすい
↓
部屋ごとの差が少なくなる
↓
快適性が安定しやすい
↓
熱交換換気とも組み合わせやすい
↓
ただし設備は増える
↓
メンテナンスも増える
メリット
- 換気量を管理しやすい
- 気密住宅との相性が良い
- 熱交換換気を採用しやすい
- 全館空調との組み合わせに向く
デメリット
- 初期費用が高くなりやすい
- フィルター交換が必要
- 設備が複雑になる
□ 第三種換気とは?
第三種換気は、
空気を出すのは機械。 空気を入れるのは自然。
という方式です。
現在の住宅で広く採用されています。
排気ファンが回る
↓
室内が少し負圧になる
↓
給気口から外気が入る
↓
仕組みがシンプルになる
↓
導入費用を抑えやすい
↓
故障しにくい
↓
メンテナンスも比較的少ない
メリット
- システムがシンプル
- 導入費用を抑えやすい
- メンテナンスしやすい
- 故障リスクが少ない
デメリット
- 外気の影響を受けやすい
- 冬は冷たい空気が入りやすい
- 夏は暑く湿った空気が入りやすい
□ では熱交換とは?
ここから考えるのが、
入ってくる外気をどう扱うか
です。
冬を例に考えてみましょう。
換気をすると、暖めた室内に冷たい外気が入ってきます。
空気はきれいになる。
でも寒くなる。
それでは快適とは言えません。
そこで登場するのが熱交換です。
暖かい室内空気を排出
↓
熱を回収
↓
外気へ受け渡す
↓
入ってくる空気が少し暖かくなる
↓
暖房負荷が減る
↓
省エネにつながる
□ 顕熱(けんねつ)交換換気とは?
顕熱交換換気は、
温度だけを受け渡す方式
です。
暖房した空気を排出
↓
熱だけを回収
↓
外気へ受け渡す
↓
室温変化を抑える
↓
暖房負荷を減らす
メリット
- 温度変化を抑えやすい
- 構造が比較的シンプル
- 湿気の移動が少ない
デメリット
- 湿度は回収しない
- 冬は乾燥しやすい
□ 全熱交換換気とは?
全熱交換換気は、
温度と湿度の両方を受け渡す方式
です。
暖かい空気を排出
↓
熱を回収
↓
湿気も回収
↓
外気へ受け渡す
↓
温度変化が小さくなる
↓
湿度変化も小さくなる
↓
快適性が向上する
メリット
- 温度変化を抑えやすい
- 湿度変化も抑えやすい
- 冷暖房負荷を減らしやすい
デメリット
- 設備が複雑になる
- フィルター管理が必要
- 地域によって効果が変わる
□ どれが正解なの?
地域の気候を考える
↓
断熱性能を考える
↓
気密性能を考える
↓
窓を考える
↓
間取りを考える
↓
換気方式を考える
↓
空調方式を考える
↓
快適性とメンテナンス性が決まる
だから、
第一種だから快適。
とも、
第三種だからダメ。
とも、
全熱交換だから正解。
とも言い切れません。
寒冷地と温暖地では条件が違います。
住宅性能が違えば、選ぶべき設備も変わります。
暮らし方やメンテナンスへの考え方も、人それぞれです。
大切なのは設備の名前ではなく、
その家に合っているかどうか。
換気は単独で選ぶものではありません。
断熱、気密、窓、空調、間取り。
それぞれがつながった先に、その家にとっての答えがあります。
次回予告
第3回 「全館空調・ダクト式・壁掛けエアコンの違い」
全館空調は本当に快適なのか。
ダクトのメンテナンスは大変なのか。
壁掛けエアコンでは快適にならないのか。
次回は空調方式の違いを整理しながら、その家に合った選び方を一緒に考えてみます。
