中古住宅購入で大切なのは、保険より先に建物を知ること

新築は予算が合わない。
だから中古住宅を買ってリフォームしよう。
そう考える方も少なくありません。
ところが不動産仲介の個人間売買では、
「現況引渡し」 「契約不適合責任なし」
という契約も少なくありません。
そこで耳にするのが
既存住宅売買かし保証保険
です。
「保険に入れるなら安心ですね」
そう聞くと、ほっとするかもしれません。
でも、ここでひとつ気になることがあります。

「実家の未来」1970年竣工建物のリフォーム工事前

例えば築19年。
外壁や屋根にメンテナンス歴がない住宅が、検査によって保険加入可能と判断されたとします。
保険に入れることは安心材料のひとつです。
しかし、その住宅に本来必要なのが外壁や屋根のメンテナンスだった場合はどうでしょう。
建物は少しずつ歳を重ねていきます。

実は既存住宅売買かし保証保険には、保険契約後の改築や修補に起因する漏水について免責規定があります。
外壁や屋根の塗装工事そのものが問題ではありませんが、その工事が原因で漏水が発生したと判断された場合は、保険の対象外となることがあります。
「保険に入ったから安心」ではなく、「建物の状態に合わせて適切な時期に必要な修繕を行う」ことが大切なのです。

では、本当に先に考えたいことは何でしょう。
それは、
保険を検討する前に、建物の状態を知ること。
そして
どこから手を入れるべきかを見極めること。
です。

リフォーム設計をするときも、いきなり間取りやキッチンの話から始めることはありません。
まず、
・雨漏りの心配はないか
・外壁や屋根の状態はどうか
・劣化はどこまで進んでいるか
を確認する建物診断(インスペクション)をおこないます。
そのうえで、先に直すべきところと、後でもよいところを整理しながら設計を進めます。

中古住宅購入で本当に安心につながる順番は、
家を知ることです。
建物診断(インスペクション)で状態を確認し、
必要な修繕の優先順位を整理し、
その結果をもとにリフォームを計画する。
保険は、その上で活用する仕組みです。

リフォームは間取りやキッチン選びから始まると思われがちです。
本当は、建物の状態を知り、必要な修繕を整理するところから始まります。
遠回りのようで、それがいちばんの近道です。