第2回のおまけ じゃあ、どんな換気設備を選ぶの?

実際の住宅業界では、高性能住宅をつくる会社でも採用する換気設備はさまざまです。
それは性能の優劣ではなく、住まいに対する考え方や暮らし方の提案が違うからです。
さらに同じ熱交換換気でも、

  • 室内環境を安定させたい
  • 空気をしっかり入れ替えたい
  • メンテナンスしやすくしたい
  • 空調と一体で考えたい

など、目指す住環境によって選ばれる仕組みは変わります。

今回は換気設備の違いを通して、住まいづくりの考え方を見てみましょう。

□ 熱交換換気にも考え方の違いがあります

熱交換換気には大きく分けて二つの考え方があります。
ひとつは、室内の温度や湿度の変化をできるだけ小さくしたいという考え方。
もうひとつは、熱を活かしながらも空気をしっかり入れ替えたいという考え方です。
その違いから全熱交換や顕熱(けんねつ)交換といった方式が生まれました。 
どちらが優れているというものではなく、何を大切にするかの違いとして考えると分かりやすいでしょう。


□ 空気の運び方もさまざまです

実は快適性に大きく関わるのは、熱交換の種類だけではありません。
家の中へどのように空気を届けるかにも違いがあります。

天井ダクト式

天井裏のダクトを通して各部屋へ空気を届ける方法です。
ロスナイ(三菱電機)やベンティエール(ダイキン)などが採用される方式で、計画的に換気しやすく、多くの住宅で採用されています。

床下給気型

床下を経由して空気を各室へ送る方法です。
澄家(マーベックス)などが採用される方式で、床下エアコンと合わせて考えられることがあります。

ダクトレス型

部屋の壁に換気設備を設置する方法です。
VLR-70(日本スティーベル)、Air save(キムラ)などが採用される方式で、ダクト清掃が不要なため、更新や維持管理の考え方が変わります。

空調連携型

換気と冷暖房を一体で考える方法です。
エアリゾート(三菱電機)、パラディア(デンソー)、きくばり(アズビル)などが採用される方式で、快適性を高めやすい反面、設備更新まで見据えた計画が大切になります。


□ 換気設備は機械選びではありません

換気設備というと機種の比較になりがちです。
しかし実際には、

  • どこから空気を取り入れるのか
  • 家の中をどう流すのか
  • どのような冷暖房と組み合わせるのか
  • 将来どのように点検や更新を行うのか

まで含めて考える必要があります。
つまり換気設備は、ひとつの機械を選ぶ話ではなく、住まい全体の設計に関わるものなのです。


なかの一級建築士事務所の考え方は、換気設備から考えるのではなく、暮らし方から考えます。
地域の気候、間取り、冷暖房計画、将来のメンテナンスまで含めて検討した結果として、
全熱交換、顕熱交換、第三種換気、あるいは空気の運び方が決まります。
大切なのは設備の名前ではありません。
どのような暮らしをしたいのか。を考えています。