2023-07-05

構造計算書のない木造の耐震等級の確認

わかりにくい木造の耐震等級のお話です。
木造軸組構法の2階建てでも耐震性能の検討は必要です。検討の仕方は3つ。

①仕様規定(簡易計算 最低限の建築基準法を満たした計算方法)

②性能表示計算(耐震等級 耐風等級 品確法)

③許容応力度計算(いわゆる構造計算)

①仕様規定で耐震性能の検討がされている場合は、耐震等級1を満たしていることが確認できます。
耐震等級2や3の検討は、②性能表示計算か③許容応力度計算でおこなわれます。①仕様規定ではできません。

①仕様規定も②性能表示計算も耐力壁量の検討をおこなうのですが、
①仕様規定での「存在壁量」≧「必要壁量」×1.25以上が等級2、×1.5以上が等級3の考え方は正しくありません。②性能表示計算の「必要壁量」は、①仕様規定よりも一般的に多くなります。
(③許容応力度計算の必要壁量も②性能表示計算より多くなります。耐震性が高くなるという事です。)

※ 耐震等級1:
極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力に対して倒壊、崩壊等しない程度。
稀に(数十年に一度程度)発生する地震による力に対して損傷を生じない程度。
(東京を想定した場合、数十年に一度程度発生する力は震度5強、数百年に一度発生する力は震度6強から7に相当。)

※ 等級2:等級1の地震力の1.25倍の力に耐えることができます。

※ 等級3:等級1の1.5倍の力に耐えることができます。

※ 壁量:壁の長さに壁倍率を乗じた値のこと

※ 存在壁量:建物の実際にある耐力を持つ壁量

※ 必要壁量:建物に地震力や風圧力が加えられた際、それに対抗するのに必要な壁量

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